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ローズヒップ(ティー)用のバラ

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© wikipedia                     © MONKEYDRUM



<こちらの記事は、今後も新しい知識、更新情報を追記して参ります>

私の主宰するクラスで時々ご質問を受ける、メディカル使用のバラのことを、ここにまとめておきたいと思います。

まずは、「ビタミンCの爆弾」としてビタミンCが豊富なことで知られるローズヒップティーのローズ。(ちなみに、ローズヒップのビタミンCは、加熱されても破壊されにくいと言います)
こちらは、なんのバラの実でもよいのかと言いますとそうではなく、やはり野生種、もしくはそれに近いバラの花後の実を使用します。

日本のイノバラやハマナスなどの一重の楚々としたバラを、皆さんもご存知のことかと思います。これらはいわゆる野生種、Wild Rose に分類されます。(ただ、ぱっと見、一重のバラだからと言って、すべて野生種とは限りません。その後、人工or自然交配した種、ハイブリッド種でも一重のバラはあります)

野生種は、園芸種に比べて、どうでしょう。
過酷な土地に根をはやし、そこに生き延びていかなければなりません。
その「生きる力」が、強い芳香となったり、成分となった所以なのでは・・・と想像します。


薬効を期待したローズヒップに使用される代表的なバラは、ドッグローズ(Rosa canina)、ハマナス(Rosa rugosa)、シナモンローズ(Rosa majalis)などです。いずれも、Wild rose に分類されるバラです。(カッコ内は、学名です。特にメディカルハーブでは、英名ではなく、学名で購入したり栽培したり、調べることが基本です)

文献によっては、原種よりのオールドローズ(原種や自然交雑によって出来た亜原種、古代に交配されたと考えられる栽培種含む)、スイートブライヤー(Rosa rubiginosa)もローズヒップに使用されるようです。

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ドッグローズ(Rosa canina)

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ドックローズの花後のフラスコ型の赤い実は、昔からタルトやジャムにも利用されたらしい。
しかしながら、花には精油にできるほどの芳香はないため蒸留には使用されず、もっぱらローズヒップとして活用されてきたバラのようだ。

このユニークな名前の由来を記載しておこう。
一つは、このバラの根が狂犬病の薬となったということから。そしてもう一つは、「ダッグ(dag)」は「ダガー(dagger/ 剣)」の縮小語で、ドッグローズのバラの棘が大きく、鋭いことに由来しているという説もある。

ビタミンC(その他ビタミンA、B1、B2、K)、フラボノイド、タンニン、ペクチン、植物酸、ポリフェノール、カロチノイドなどを含む


■ ハマナス(Rosa rugosa)

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シナモンローズ(Rosa majalis)



スイートブライヤー(Rosa rubiginosa)

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卵型の実を付ける、スイートブライヤーの学名の種小名、'rubiginosa'は、ラテン語で「錆色」の意味。茎や葉が、茶色がかった赤色を帯びていることからついたと言われている。

古くは「エグランティン」と呼ばれ、シェークスピアの「真夏の夜の夢」では、ハニーサックルと一緒に甘い香りの天蓋を作るとして描かれているそうだ。ちなみに英語の」エグランティン」、フランス語の「エグランティーヌ」は、「野バラ」の意味だそう。


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ローズヒップを家庭の庭で収穫した場合は、色々注意事項があります。

霜が降りた後の収穫が、一番ローズヒップに甘味があるそうですが、早く摘まないと、褐斑病になってしまいます。
また、実の中をあけると毛で覆われた種が入っていますが、この種子は腸を刺激するそうなので食べない方がよいそうです。
自家製のローズヒップを作る時は、以上のような点に気を付けて収穫、処理、利用をすることをお勧めします。




参考文献:"Roses" Roger Phillips & Martyn Rix. 「ハーブ&スパイス大事典」ナンシー・J・ハジェスキー著 「基本ハーブの事典」北野佐久子著
  "Encyclopedia of HERBAL MEDICINE" Andrew Chevallier






by marie-foliage | 2017-01-29 16:20 | ハーブ Materia Medica | Comments(0)


美は、見る人の心の中に。


by marie

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