アンヌンツィアータ薬局

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個人的な旅の記録にお付き合い頂き、有り難うございます。
ここのところ旅の記事ばかりなので、おなか一杯の方もいらっしゃるかと思いますが、あと数話、どうぞお付き合い下さいませ。

さて、イタリアの薬局記事も、これが最後です。

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ローマのAi Monasteri、そしてフィレンツェのサンタマリア・ノヴェッラ薬局に続き、ブログに残しておきたい最後の薬局は、
フィレンツェはサンティッシマ・アンヌンツィアータ広場すぐそばの、アンヌンツィアータ薬局です。

こちら、サンタマリア・ノヴェッラのような歴史上のストーリーは特にないものの、開業が1561年と、サンタマリア・ノヴェッラより50年早いーーーということが、ポイントのようです。(サンタマリア・ノヴェッラは、1221年、ドミニコ修道士によってスタートしたが、薬局開業自体は1612年と言われているため)

イタリアでは、歴史を感じさせる調度品に囲まれた老舗薬局が多いのですが、このアンヌンツィアータ薬局も然り。
こういった調度品も、そのお店の歴史そのものなのが、素晴らしい。
表面だけをテンポラリーに補った付け焼き刃的ではない、歴史から醸し出される風格、誇り、プロ意識ーーーそういったものが、こういった文化を創り上げるのだろうと思いました。


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こちらのお店、サンタマリア・ノヴェッラ/フィレンツェの博物館のような迫力はありませんが、ほどよく見て回れる店内は整然としており、心地良い明るさで、昔から住民の方がお気に入りの商品を買いに来るような、家族経営的な親しみやすさを感じました。

接客をしていたこのお店のファミリーの方と思われる男性も、商品について質問すると、数多くの中から、すぐさま該当する商品をささっと出してきて応対して下さり。私たちが訪れたのは週末の開店間もない時間だったので、お客様もまだ1、2人と混雑もなく、とても買い物がしやすく、イタリアのコスメ関連商品そのものが目的の方は、こちらのお店もなかなかいいのではないかと思います。(かなり種類も豊富です。男性ものも充実しているようでした。)

商品にアルコールを使用していない、そしてディスプレイにも英語が表示されていること、サンプルを試せることなどが、このお店のポイントのようです。

8月は長期お休みのようでしたので、お出かけの際はご参考まで。

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住所:via dei servi 80/R,Firenze

電話:+39 055 210738

休業日:土曜日午後、日曜日

営業時間:9時〜13時/16時〜19時

☞ 毎年8月は長期休暇を取るそうなので、確認のこと。(2014年は、8月1日〜31日まで休業)


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# by marie-foliage | 2014-07-25 07:27 | 旅(ヨーロッパ、アメリカ)

Lucca の日常的な景色

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フィレンツェに一泊した後、数日後にフィエンツェに戻るまで、しばしトスカーナへの旅。

Siena、そしてLucca という町に行く。
昔から、"Lu "と" ca"サウンドにものすごく馴染みがあり、何かというと自分に関わる名称に使いたくなってしまうほど。
今回、夫が決めた日程に、このLucca が入っていると聞いた時には、ちょっぴり不思議な気持ちになった。

一泊したホテルの部屋に飾られていた石(銅?)版画の絵を、しみじみと眺める。
「音」というものが、自分の魂の記憶に刻まれている可能性ーーーそんなことも、旅の途中には不思議なおとぎ話ではなく、ごく自然なことのように思えるから、旅とはマジカルだ。

周囲4キロほどを城壁で囲まれた城塞都市であったという、Lucca。
訪問時間は夕刻から夜までの、かなり短いものだったが、私を含め、家族みんながなぜか、この町をとても気に入った。

おもしろいお話をひとつ。
Lucca でディナーをしたレストランで、隣に座っていたファミリー。
英語をしゃべり、上のお嬢さんは、我が家の娘よりちょっと下くらいというお年頃。
同じくアメリカからかな?ということで後半に夫が声をかけ、少しお話をしたら、なんと、私たちが以前住んでいたロスの家のすぐそばに住んでいるという。
この後、フィレンツェやヴェネチア、パリと、ほぼ私たちと同じような所に行かれる予定と伺ったが、その翌週訪れたヴェネチアのレストランーーーそれも、たまたま通りがかった人目につかない通りの、隠れ家的な場所にあったレストランに偶然入ったら、なんと、そのファミリーがそこで食事をしていたのだ。
この後、パリでも会うかもしれませんね!などと冗談で話したが、さすがにパリで再会することはなく。
もしかしたら、いつかロスでまた出逢うことがあったら、と想像すると、愉快な気持ちになる。

人との出逢い、巡り会い、再会ーーーそして、過去と現在ーーー。本当に、人生はおもしろい。


以下、Lucca の町のショット。あまのじゃくの私は、有名な建物などは余り撮る気にならず、こんな個人的に、はっとした風景ばかり、写真におさめてしまう。

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# by marie-foliage | 2014-07-23 03:28 | 旅(ヨーロッパ、アメリカ)

サンタマリアノヴェッラ(2)

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こちらは、サンタマリアノヴェッラ(1)のつづき記事となります。


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まずは店舗に入ってすぐにある販売ホール。

元々修道院内部の教会として使われていたというこのホールは、存在自体が既に美術館のよう。14世紀に建設されたが、その後1848年の大改修後も、天井のゴシック様式やフレスコ画はサンタマリアノヴェッラの栄光の象徴のように守り受け継がれている。

私がヨーロッパで最も好きな点は、「歴史ある美」と共に、人生が、暮らしがなされているところ。
この薬局も例外ではない。














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豪華な内装が美しい旧薬草店だった場所は、現在ハーブハウスとして販売の他、1612 年から1848年までの商品その他の展示が行われている。

この本店が「博物館」と呼ばれる所以はここに。



















画像が今ひとつで恐縮だが、ハーブハウスに飾られていた古(いにしえ)の商品や容器、器具などのディスプレイの様子を一部。
昔の修道士の努力と研究の功績が、こうして今に繋がっているという、歴史の重みを感じる。
こうやって残された中世の建物の中でいにしえの時代を想像するのは、イメージが湧きやすく親しみも持ちやすい。旅の醍醐味であり、特権だ。

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さて、今回サンタマリアノヴェッラの歴史などあらたに調べてみたところ、大変面白い事実を知ることに。

アロマの勉強をした方ならご存知であろう、「最古の香水」と呼ばれる、ケルンに移住したイタリア旅商人(理髪師、薬剤師とも呼ばれる)フェミニスの「オーアドミラブル eau admirable 」。(但し当時は、医薬品、食品、化粧品の区別が明確でなく、香水としての認識だけでなく、胃腸薬としても販売されたという。)
後に「ケルンの水」と呼ばれ、「オーデコロン Eau de cologne」(フランス語読み)となったこの最古の香水は、なんと、元々はサンタマリアノヴェッラのレシピであったのだとか。

フランスの香水史に大きな影響を与えた、フィレンツェからフランスはアンリ2世の元に嫁いできたカトリーヌ・メディシスは、婚礼の際にサンタマリアノヴェッラが特別に調合した香水「アックア・デラ・レジーナ Acqua della Regina 」を携え、フランス貴婦人の間で大流行させた。
この香水こそ「王妃の水」と呼ばれ、最古の香水と呼ばれるものだそうだ。

フェミニスは後に、旅の途中でこのサンタマリアノヴェッラ教会に立ち寄り、僧よりこのレシピを手に入れ、1725年ケルンに居を構えて生産を始めたのだとか。つまり元々は、「最古の香水」とは、フェミニスがオリジナルに発明したものではなく、サンタマリアノヴェッラのものであったと(言葉を変えれば、「王妃の水」は、フェミニスに多大な影響を与えたとも言える)ーーーサンタマリアノヴェッラの文献には残されているようだ。


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そして何より興味深かったのが、メディチ家のこと。フィレンツェ文化を花開かせ、15世紀には、事実上フィレンツェを統治していたメディチ家自体が、薬や香料、香辛料などの商売で財を成した一族であるという事実。
こうして私たちが現在も、いにしえの人々の知恵と功績を享受できるのも、連綿と今日に引き継がれてきた歴史の流れのなせる技によるもの。
そして、歴史上の、どの一幕が抜けても成り立たないもの。
メディチ家が、香りの歴史に与えた影響と功績は、神による計画だったのかもしれないーーー。
そんな空想を巡らせるのも、歴史を味わう醍醐味となって。


☞ "Medici"は、後に"Medicine"の語源にもなっているという。

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左)サンタマリアノヴェッラ広場のサイン。  右)ハーブハウスから、修道院の庭を。自由に入れないらしいので、窓越しに。

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# by marie-foliage | 2014-07-18 08:12 | 旅(ヨーロッパ、アメリカ)

サンタマリアノヴェッラ(1)

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ローマが、喜劇あり悲劇ありの人間くさいオペラのようであるとすれば、フィレンツェは、もっと落ち着いた品あるバッハの旋律のような安定感がある。
その静かな旋律の中に、誰にも邪魔できない凛とした歴史と、この街が「天井のない美術館」と呼ばれるにふさわしい美しさを兼ね備えており、私はかつて二度訪れたこの街がとても気に入って、数十年ぶりの今回のフィレンツェ訪問をとても楽しみにしていた。

人生とはおもしろいもの。
かつて若かりし時に訪れた時には、庭園やファッション、雑貨等に興味が集中しており、まだ「薬局」というものに興味の焦点が当たっていなかった。

今回フィレンツェの駅に降り立ち、スーツケースをがらがらと引っ張って辿り着いた初日のホテルは、なんと、サンタマリアノヴェッラ薬局の向かいにあった。
人生の中で、「薬草時代」全開を迎えている私にとって、この偶然は何よりの思い出となり、神様からの小さなギフトのようにも思え。

ローマの喧噪は遠ざかり、フィレンツェのこっくりと落ち着いた空気時間に、私はすぐに馴染んでいった。


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さて、いまや美容関係、ハーブ、アロマをされる方には有名な店舗となった、サンタマリアノヴェッラ薬局
2、3年前に親しいお友達がこのお店を訪れてお話をうかがってから、ずっと訪れてみたいと憧れていたお店。

ハーブやアロマの歴史を紐解くと、綿々と今に続くハーバリズムは、この中世の僧院医学なしには語れない。
ルネッサンスに花開いたこのフィレンツェという土地で、修道士たちが行った薬草との関わりの息吹の片鱗を、ただ見て、感じてみたいと思っていた。


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店舗は、街の通りにひっそりと、しかしながら重厚に構えられており、サンタマリアノヴェッラ広場のすぐそば。

街や人から隔離された場所ではなく、人々の暮らしの中に溶け込みやすい場所にあった。
その昔、修道院が敷居の高い場所ではなく、庶民も集まる集会所のような役目をしていた時代のことを想像するーーー。


以前は館内で製造も行われていたというこの本店の中には、昔の商品、容器、器具などが展示された「博物館」もあるという。その記録は、また次の記事にて。(つづく)



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【MEMO】

「サンタマリアノヴェッラ広場に隣接するこの薬局は、1221年、ドメニコ派修道士たちの手によって生まれた。
彼らは、自分たちの耕す畑で薬草を栽培し、修道院内の小さな医務室で使う為の薬、香油、軟膏などの調合を始めた。

その後、修道士たちが手がける薬剤の評判は広まっていき、その名声は外国にまで届くようになる。1612年には、一般向けの薬草店として広く門戸を広げて営業を開始。

1866年には一旦薬局の所有権がイタリア政府の手に渡るが、当時の薬局長の甥への譲渡が認められ、今日まで4世代にわたってその経営を引き継いでいる。」


「現在、その伝統は新しさを盛り込みながら今なお受け継がれている。高品質の天然原料にこだわり、修道士たちが築き上げた伝統的な手作りの技と製法を現在に継承し続けている。



創業当初より大変な好評を得ている薬草調合に関する分野では、特にこだわりを持った製品管理が行われている。全ての製品はハーブ、天然由来エキスをベースにしており、動物実験は行わない。サンタマリアノヴェッラは多くの商品に必要な薬草をフィレンツェ近郊の丘で栽培している。」                   (パンフレットより抜粋)




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# by marie-foliage | 2014-07-17 07:15 | 旅(ヨーロッパ、アメリカ)

おうちひと夏プロジェクト

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旅の記憶が遠のかないうちに、記録をどんどんアップしていますが、ローマが終わったところで、ちょっとひと息。

主宰するクラスも、お仕事もオフの7月。
やっとゆったりと楽しんでお料理をしたり家のことをしたり。今年前半はことに時間に追われる毎日だったので、この余裕のある日々というものが、とても有り難くしあわせに感じます。


ここ数年、毎年夏になると、この「余裕のある時間」を利用して、「おうちひと夏プロジェクト」をするのが定番となりました。
去年は大規模な断捨離も兼ねて裏のアトリエのミニ・改築、その前は、ダイニングテーブルのいすの革張り替え、そしてブーツや靴を磨いたり、底を張り替えたり、またまたその前は家のペンキの塗り替えーーーといった風に。
普段の慌ただしい生活ではなかなか手の届かない修理やプロジェクトを、夏にひとつだけでもいいから行うというものです。

今年は、かねてから使い勝手が悪く気になっていた、玄関先の靴棚のお直し。
以前この家のオーナーだった方はアンティークドールの収集をされていて、この玄関先に棚を設置し、ライト付きのショーケースとしてこのキャビネット棚を作られたようです。
日本の家のように、玄関先に靴棚のないこちらの家の造りはとても不便で(多分こちらの皆さんは、西洋式にクローゼットに仕舞われるんですよね)私たちはせっかくのショーケースを、靴棚として使っていました。笑
でも、元々飾り棚として作られたこのキャビネットは棚が4段ほどしかなく、高さのない靴を収納するには、スペースが余りすぎるのと靴もそれほど入らない。不便だなあと想いつつ、10年も経ってしまいました。

今回は、靴がたくさん収納できるように、棚をいっぱい設置してもらいました。
大工さんによると、元々あった棚を壊すのが難しかったようなのでその隙間に棚を増やす方式。棚の高さはかなりばらばらな感じではありますが、靴の収納はとても効率が良くなりました!
中に消臭として使っていた備長炭も煮沸して天日に干し、復活。再利用してリニューアルした靴棚に収納しました。かなりの爽快感!

お直しをしただけで、靴をもっと大事にしたいという想いが湧いてきますし、キャビネットを開けて中が見晴らし良く片付いているというのは、心の気に停滞感がなく爽快なもの。
今年のひと夏プロジェクト、もう2、3、実践してみたいです。






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# by marie-foliage | 2014-07-15 03:04 | 暮らし


美は、見る人の心の中に。


by marie

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