"Paris childhood"

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今年も、裏庭の"Paris childhood" が見事に咲いています。
毎年5月、この花に再会できる幸福を思います。

このバラのお話を、以前ブログに書いたことがあるのですが、どこに書いたのかすっかり忘れてしまい・・・
今また、あらたにここに記そうと思います。

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日本でも今尚愛され続けている絵本作家の故ターシャ・テューダーさんとセカンドカズンだった我が家のprior オーナーマーガレットさんのお父様は、元々ハーバード大学で物理学を勉強されていたそうなのですが、第二次世界大戦で原爆投下があってから、物理学にすっかり興味を失ってしまいました。
物理学を離れた後、バークレーの大学院でアートとヒストリーを勉強するようになり、後に、メリーランド州で教授になられたそうです。

お父様がアートに転向されたことで、マーガレットさんは子供時代の毎夏を、ご両親と芸術の街パリで過ごすようになりました。
懐かしそうに教えて下さった、Place de Furstem burg という通りのアパルトマンの4階に住んでいたマーガレットさんは、その部屋の窓辺を飾っていたつるバラが、白さの中に、ピンクや色々な色が混じってスペクタルのように輝いているように見え、子供心にすっかり魅了されてしまったのでした。

それから何十年か経ち、大人になったマーガレットさんが訪ねたパリのとあるマーケットで、正にその子供時代の思い出のバラと遭遇します。

マーガレットさんは懐かしさの余りそれを購入し、まずはイギリスの友人に託し、植え育ててもらいました。数年後、育ったバラの枝をカットし、マーガレットさんはなんと!ご自身の下着にその枝を隠し、アメリカはバークレーまで持ち帰ってきたというのです!

マーガレットさんの努力と奮闘実ってバークレーでも根付いたそのバラの名前を、彼女はありとあらゆるバラの専門家、ナーセリー、ソサイエティに尋ねてみましたが、誰一人分かる人はいなかったのです。
結局バラのソサイエティから、そのバラは古くて資料に残っていないこと、そして珍しいということで、マーガレットさんが名前を付け登録することを許可されたのだそうです。
マーガレットさんはご自分の思い出その通りに、このつるバラに"Paris childhood" と命名したというお話です。


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マーガレットさんのお父様が物理学からアートに転向されなければ、夏に住むこともなかったであろうパリ、そしてそこで出逢った希少なバラ。
子供時代の思い出から発せられたものが、フランスからイギリスに渡り、そこからバークレーに来て根付き、今はこの地でも我が家はじめ、多くの人々に愛されているーーーという流れに、人と植物の物語を感じずにはいられません。

どの人生も、どの花の人生も、愛おしさに溢れているーーー。
5月のみに咲くこのバラに毎朝挨拶をする時、私は必ずこのストーリーを思いながら愛でるのです。

(トップ写真中の本のバラの絵はイメージとなりますので、宜しくご了承下さい)

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by marie-foliage | 2017-05-19 04:07 | 花、植物


美は、見る人の心の中に。


by marie

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