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初女さんの旅立ちに寄せて

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もう10年以上も前、ロスに住んでいた頃に、ガイアシンフォニーの上映やおむすび講習会にて、そしてここサンフランシスコに引っ越してからも初女さんに何度かお目にかかる幸運を頂きました。

食材を扱われる時、調理される時、人と接する時、本にサインをされる時でも、一貫して初女さんの中に感じるのは、「丁寧に成す」という姿勢でした。
その食材が、その人が、その物が、一番望んでいることは何なのだろうーーー。
その想いが、初女さんのなされた偉業なのだと思います。
それは優しさ、強さ、思いやり、愛などといった言葉をも超えたところの神々しいものでした。
この世に生を受けた、大事な大事ないのちとして、相手を敬い、想いながら接する。
それが本当の意味での「愛」の境地なのかもしれません。

食材はいのちをまっとうし、人は病んだ心を癒され、あるべきところへ帰っていくーー。
初女さんの愛は、いつも相手を「受け入れる」ことが根底にあった、愛でした。

今でもおむすびをにぎる時、調理をする時、初女さんから教わった大事なことのかずかずを、思い出します。
私だけではなく、きっと日本中、そして海外に住む多くの人たちの心にも同じ種はまかれ、時間をかけて育ち広まっていることでしょう。


一度、ロスの北にあるパサデナという街にある、ひっそりとした教会に、夫とまだ小さかった娘と一緒にお連れしたことがありました。
教会の入り口で一礼をされて中に入られ、じっと静かに神様に向かっておられたお姿が、今でも目に焼き付いています。
何も語らずとも、これが初女さんのベースなのだと、感じました。
初女さんの「静の祈り」(初女さんは、「静の祈り」「動の祈り」のふたつの大切さをご著書にも書かれておられます)を共にさせて頂いた幸せを、今でも噛み締め、感謝しています。

帰りの車の中で、初女さんが「私の誕生日は本当の予定日よりずれてしまったのだけど、聖テレジア(初女さんがご縁を感じてらっしゃる聖女。初女さんの霊名でもあられる)の日だったの。」と、少しはにかまれ少女のようにお話されたお姿がとても印象に残っています。


初女さんのご冥福を、心よりお祈り致します。



Moreに、初女さんに頂いた言葉を記載させて頂きます。





++++++++++++++++++++


初女さんのご著書「おむすびの祈り」。

もう10年以上も前のこと。
ガイアシンフォニーのボランティアを一緒にさせて頂いた友人ファミリーが、青森の「森のイスキア」をたずねた折りに、夫と私のために預かってきて下さったご著書「おむすびの祈り」を手渡してくれました。
2冊の本は、広告チラシの紙に包んで下さっていましたが、その包みを見て、私ははっと息をのみました。

包んで下さった方(初女さん)の「こころ」がそこにある、とはっきり感じられたからです。

丁寧に、丁寧に包まれたその包みは、広告の紙であることや、デザインがどうであるということを超えて、そこにあるのは「こころ」のみでした。私たちのことを思い、包まれた、「こころ」。それしかありませんでした。

その「丁寧なこころ」は、贈る相手に対する、尊厳のようにも感じました。

心が病んでしまった人が、更正され、自分自身の光に気づき、人生をやり直していくのは、このような尊厳を受けた時なのではないかとふと思いました。
自分も他の方と同じ、大事な存在なのだーーー。
そんな光の電気がどの方にも走り、本来の、神様に頂いた真の自分に向かっていくのではないかと思います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

頂いた「おむすびの祈り」の見開き頁に、初女さんからのお言葉が書かれてありました。

私には「いのりのうちに今を生きる」。

夫には「友のために 自分の命を捨てること これ以上に大きな愛はない」。新共同訳ヨハネ15 〜13


ガイアシンフォニー上映の後、家を開放させて頂き、集いを持たせて頂いたご縁で、初女さんは私たち夫婦と深い会話をするまでもなく、私たちに必要な言葉を贈って下さいました。
頂いた当時は、ただただ有り難く、その意味の深さまで理解することができなかったのです。
それから年月が経ち、色々なことが起こり、経験するその度ごとに、この初女さんに頂いた言葉の深さと核心を突いた聖句の選択にいつも絶句するばかりでした。

初女さんは、どの方にも、その人その人に宿る光を一瞬で見極め、その光が人生の最期までその人の本質にそって燃え尽きるよう、指針となるお言葉を下さっているのではーーーと思います。


その後、初女さんのご著書で、その聖句の意味を理解するに至りました。
今でも、この言葉は、私と夫の、魂の聖句として、いつも心に留めさせて頂いております。

まったく個人的な話を、お読み頂きまして、有り難うございました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「人のために働くということは、私たちが生まれた時に、すでに与えられている天性だと
 いうことを聞いたことがあります。
 本当にそうだと思います。

 誰かのために尽くすことによって与えられる心の底からの喜び、私はそれを”霊的喜び” 
 と呼んでいるのですが、その霊的喜びを一度体験すると、生きて行く上で、これ以上
 の感動はないと思っています」

「おむすびの祈り」より



「いつも最も尊いのは
 目立つことをして認められることでも
 名声を残すことでもなく、

 自分のかけがえのないものを 他人のために差し出す こころ。」


 ーーー「友のために命を捨てるほど尊いことはない」という聖句の意味を
     長い間、疑問に思っていて気づいたことです。ーーー


「いまを生きる言葉 森のイスキアより」佐藤初女著






by marie-foliage | 2016-02-04 08:17 | 心への言葉 | Comments(2)
Commented by miwako at 2016-09-14 02:44 x
お久しぶりです。
以前何度かコメントしたことがあるmiwakoです。
たくさんの方の心に火を灯して生きた初女さん。
直接お会いしたことはないのに
その訃報は心から残念でした。
そしてこちらのなんと素晴らしい
初女さんとの交流のエピソード。
大変貴重なお話しをありがとうございました。
向き合う人や物に対する尊厳。
丁寧に広告で包まれた本・・・
想像できます。
足元にも及びませんが
少しでも心がけたいと思いました。
読ませていただけたことに感謝いたします。
ありがとうございます。


Commented by marie-foliage at 2016-09-14 12:52
miwakoさん
こんにちは!お久しぶりです。
自分の中でとても大事に思っていたこの記事を読んで下さり、また色々お感じ下さり、どうも有り難うございます。
miwakoさんに同じく、私も日常の殺伐とした流れの中で、初女さんのことを思い出す度に、このような生き方を心がけたいと、何度も思います。
こちらこそ、読んで下さり、またこのようなご感想を残して下さり、本当に有り難うございます。
miwakoさんのコメントも、初女さんの思い出と同じく大事にさせて頂きます。


美は、見る人の心の中に。


by marie

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