コロッセオ考察

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古代ローマの象徴とも言えるべき、円形闘技場。

旅の間は、その国、土地の空気や建物、景色、人々を見て感じるだけで十分楽しく有意義なので、多分自分は、他の人よりは、名所巡りに余り関心と執着がない方だと思うのです。
でも。
このコロッセオだけは、胸に迫るものがありました。
バチカンも、ミケランジェロの絵も、パンテオンの神殿も、それなりに素晴らしい。けれど、その偉大な建築や芸術の陰に感じるものは、人の底知れぬ権力への渇望のようなものーーー。
「神々へ捧げる」と表立って謳っていても、本当に神聖なるものは、小さなものや謙虚なものに隠れるように潜んでいると思う私にとって、豪勢な神殿も芸術も、それらは本当の信仰心から発せられたものとは違うにおいを感じました。
いえ、その圧倒的な権力があったからこそ、歴史に残るようなものが沢山残されたわけですが。

このコロッセオは、その究極とも言うべくもの。これだけの闘技場を、わずか8年で完成させ、この闘技場建設に道徳的に反対した宗教家などの意見を押しのいて実現化した当時の皇帝の力というものを、想わされます。
高い席から下の闘技場を見下ろした時には、さまざまな想いが脳裏を駆け巡りました。

剣闘士同士、そして対猛獣との血なまぐさい闘技が行われたこの場所。6万人もの人々が熱狂したこの場所の抜け殻を見た時、ニンゲンのさまざまな側面のひとつをしかと見せられたような気がしました。
ニンゲンの持つ残虐と快楽。
それは、善悪の判断を超えた理解として、私の胸に迫ってきました。

もしかしたら、どんな善人でもわずかながらの残虐性があるかもしれない。そして、どんな聖人にも、少しながらの快楽への欲求があるかもしれない。そういったニンゲンの多面性と複雑性というものに対し、よい、わるいの判断ではなく、ありのままのニンゲンのひとつの特性として、事実をまざまざと見せつけられたような。

ローマは、そういうニンゲンの一見どろどろした底の底にある特性を、「これもまた真実」と、あっけらかんと見せてくれました。








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西暦80年に8年がかりで完成した円形闘技場。
捕虜になった剣闘士同士、そして猛獣などを相手に、6万人の観客が熱狂したと言う。

闘技の舞台となったアリーナは床が取り外し可能で、血に染まる度に新しい砂がまかれた。
また、このアリーナの下には猛獣の檻や奴隷たちの牢獄もあり、壁が迷路のように仕切られている。
ちなみに、猛獣はアフリカなどから捕獲し、一時、動物の数も減ってしまったのだとか。

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また、当時、観客席は身分によって座る場所が決まっていた。一、二階は大理石席で、三階は木製の女性席、それより上は立ち見の天井桟敷となり、入場は無料ながらも入場券と同じ番号の入り口からしか入れない仕組みになっていた。




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by marie-foliage | 2014-07-14 04:09 | 旅(ヨーロッパ、アメリカ)


美は、見る人の心の中に。


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